津軽海峡は本州の青森県の北端から
北海道の南端までを結ぶ海峡で
西側の日本海と東側の太平洋を
結んでいます。
この海峡の東西の長さ(幅)は
約130㎞になります
そして海峡の深さは(水深)
平均で約130m 最も深いところで
449mということです。
日本海の平均水深が約1600mなので
比較的浅いということが分かります。
この海峡の長さは最短で18.7㎞と
いう距離ですがこれは
青森県北東部の下北半島の大間崎から
北海道南西部の汐首岬までの距離で
天気の良い日には海の向こうの対岸を
目視することができるそうです。

津軽海峡

さて この津軽海峡の真ん中は日本の
領海ではないことを知っていますか?
2021年10月18日 およそ1年程前に
中国海軍とロシア海軍の艦艇が
合計で10隻 この海峡を通過しました。
中国とロシアの海軍が同時に津軽海峡を
通過したのは今回が初めてだそうです。
これは国際法的に
問題があるかのように思いますが
結論を言うと この通過は
国際法上 何の問題もありません。
それは海峡の真ん中はどこの国にも
属さない「公海」だからです。
そんな国際海峡の真下を通る
北海道と本州をつなぐ青函トンネル
について調べてみました。
この青函トンネルの建設構想は
第2次世界大戦よりも前とされています
大正12年に鉄道トンネル計画案ができ
調査がスタートしたのは
戦後の1946年になります。
建設が始まったのは1961年(昭和36年)
でそこから丸24年という長い期間が
かかっています。
完成したものは
トンネルとしての全長は53.85㎞
にもなりこれは鉄道などの
交通機関に使われるトンネルとしては
世界で2番目の長さになります。
そして海底部の長さは
英仏海峡トンネルに次ぐ長さで
23.3㎞になります。
そして何よりの特徴は 最深部が
海水面より240mも下まで掘削され
海の下を通っていることです。
普通トンネルといえば1本か
上下2本のイメ-ジですが
青函トンネルは4種類の異なった
トンネルが組み合わさった
構造をしています。
そんな海峡トンネルには
2つの駅があったのです。
その名は
吉岡海底と竜飛海底の2つでした。
トンネルの中に海底駅?
なんのためにあるのかというと
観光用として造られたみたいですが
現在は役目を終えて
定点と名前を変更しているようです。
現在その役割は 万が一
列車で火災などが発生した場合
乗客の避難や誘導や
消火活動を行うための施設だそう。

北海道2

そう地震の多い日本で考えなければ
ならないのが地震に対する強度です。
海底を掘削したトンネルなら
なおさら気にかかります。
常に多数のセンサーやカメラを駆使して
監視体制が整えられていて
大きな地震が起きれば車両は緊急停止し
安全は確保されています。
そして被害によっては定点(元海底駅)
から徒歩で地上に抜けることになります。
完成以来いくつもの大きな地震に
遭遇してきましたが
(例えば1993年の北海道の南西沖地震)
未だかつて大きな災害には
なっていません。
現在は主に北海道新幹線の
路線として使われていますが
臨時の寝台特急なども
走っているそうです。

青函トンネル

気になる料金はというと
東京駅~新函館北斗駅
普通車指定席 23、430円
所要時間 4時間30分
新青森駅~新函館北斗駅
普通車指定席 7,760円
所要時間 1時間6分
(2022年10月現在)
青森市と函館市のフェリー航路は
約4時間かかり自動車の移動は
フェリーを使う以外に他の選択は
見当たりません。

 

国際海峡の海底部を通る
青函トンネルを紹介しましたが
現代ではシールド工法という技術で
掘削しますが 当時はなく
とてつもない長い時間を費やして
貫通した世界に誇れる大トンネルです。
建設工事では延べ1400万人の
作業員が携わり
また多くの犠牲者も出ています。
その苦労はとても言葉では
表せないと思います。
北海道に行く際にはこの青函トンネルを
通って少しだけでも歴史の重さを
感じてみてもよいかもしれません。