物損事故の賠償の考え方
物損事故は財産・物に対する侵害です。
まず、人身事故との大きな違いは自賠責保険の適用がないことです。
ただ、相手方に対物賠償(任意保険)があればそこで支払われますが
保険もないということになると直接、相手方に支払を求めるしかありません。
その時に万が一、相手方に金銭的余裕がなければ、
損害補填がされなくなる可能性もあり得ることです。
また、物損事故は人身事故と異なり 精神的損害(慰謝料)
が認められないので 財産的損害のみが問題となります。
財産的損害
車両の修理関係費 |
・事故以前と同じ状態にもどす
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車両の買い替えのための費用 |
・登録手続費用 車庫証明費用
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車両の評価損 |
・修理しても原状回復できない
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代車使用料 |
・工場代車でも日額×日数を請求します |
休車損 |
・タクシ-や、行商専門の特殊車などは
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弁護士費用 |
・裁判で争った場合、損害額の1割とおもわれます |
遅延損害金 |
・裁判で争った場合、判決で事故日に遡り
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被害者自身が損害立証しなければ
適正なお金は支払われない
被害者は、加害者に対して賠償金を要求するのですが
加害者側の保険会社が、適正な金額を支払ってくれるとは限りません。
保険会社からすれば加害者はお客様ですが、
被害者はそうではないので当たり前のことです。
交通事故で被害にあっても
「自分は何もしないでも相手がお金を持ってきてくれるだろう」
と考えている被害者もたまにいます。
加害者が任意保険に加入していれば 一定の金額は
確かに払ってはくれますが、果たして適正な金額といえますか?
法律上では基本的に被害者が
根拠のある損害を立証することで
適正な賠償が得られます。
根拠を示すこと、損害立証することも
全ては被害者が行わなければいけません
では、自動車が被害にあったときは、
自分が信頼できる修理業者に代理してもらい
立証することになるのです。
ということは、客観的な根拠で立証できるプロの修理業に持ち込まないと
保険会社任せの立証では修理内容も完全ではないということです。
損害車両の調査に来る、保険会社の下請けの損害調査会社の人を
「 物損事故調査員 」といいます。この人たちの多くは自動車整備の
メカニック出身が多く 事故修理のプロである自動車鈑金塗装の
経験者はほとんど見かけません。
そのような調査員に損害修理内容(修理項目)や
損害修理金額を丸投げしている修理工場も
この石川県ではまだまだ多く残っている現実があります。
自動車というお客様の大事な財産であるものを
そのような他人まかせの立証責任で本当によいのか危惧しています。
では、当事者になったあなたが最初にすることは
どういう内容の修理計画書なのか まず修理工場に
概算および修理見積書を作って提示してもらうことです。
NEW
いままで交通事故を数多く踏んだ 賢い経験者は
修理業者にすべてを丸投げするのでなくしっかりとした修理計画のできる
見積書になっているのかを修理業者とよく相談して
もしも不十分ならば 加害者か相手保険会社に誠意ある対応をするよう
助言するくらいが被害者自身の財産を護る結果になっています。
保険修理の場合、支払は保険会社だから関係ないというけれど
実際あとで明細見たら
「え—っ こんなにかかったんだ~、
だったら車を買い替えればよかったなー」 なんてこともあり得ます。
また、過失や免責のこともあるので、損害額はいくらなのか
最初に出すのがポイントです。
ここ石川県では信じられませんが 修理事業所の約半数が
保険会社に見積りを丸投げしています。
信じられませんが 立証責任を加害者側に任せている現実があるのです。
もっと詳しくいえば見た目の修理だけでなく 車の内板ボデー寸法計測や
サスペンションのアライメント、スキャンツールでの確認や消去など
客観的な測定や観察をしないと正確な診断といえません。
自動車の損害修理金額を適正に算出できる修理工場に立証を代理してもらい
しっかりとした作業で安全と耐久性の確保
そして性能と美観の回復が兼ね備わった修理を施し
事故直前の状態に回復することで安全と安心につながります。
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大前提は被害者救済!!
交通事故研究所いしかわでは、当事者が適正に立証責任を果たせるよう、情報を提供しサポートしていきます。
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物損事故の賠償の考え方 その2
次のいずれかに該当する者の所有、使用または管理する財物が損壊された場合は、被保険者は賠償請求できません
A |
記名被保険者が記名保険者の所有物を壊した場合
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B |
契約の車を運転中の者またはその父母、配偶者が被る損害
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C |
被保険者またはその父母、配偶者また子
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損害賠償請求権者の請求権(対人保険 対物保険 共通)
交通事故による損害の賠償を請求できる相手は、加害車両の運転者だけではありません。
相手自動車が会社の所有物で業務中ならば、運転手の雇用主に対して賠償請求はできます。
加害者に損害賠償請求できる法律
1 |
事故を起こした加害車両の運転手 |
不法行為責任 |
民法709条 |
2 |
事故を起こした運転者の使用者 |
使用者責任 |
民法715条 |
3 |
事故を起こした車を所有または使用する権利をもつ人、それによって利益を得る人 |
運行供用者責任 |
自賠法3条 |
もしも加害者が事故で死亡した場合は、その相続人に損害賠償責任も引き継がれます。
運行供用者とは概念が定まりにくく、その都度判決により決まることがあるようです。
損害賠償請求権の時効
民法に照らした場合
・ 損害の事実と加害者がわかった時より3年間
・ 加害者不明のときは事故日から20年間