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自動車保険の役割

自動車保険(任意保険)

長く日本の自動車保険は保険料や商品一律でいわば、まるっきりいっしょ
( 護送船団方式 )の保険商品でした。

損保体質

 

1998年の保険の自由化により「リスク細分型自動車保険」というものが販売されました。
この商品はドライバーのリスク(事故を起こす確立の大小)で保険料が変わります。
国内損保もこれにより、それぞれの商品に特色をつけて販売しました。

 

保険料 高 保険料 低
年齢 21歳未満 35歳以上
免許証 グリーン免許 ゴールド免許
使用目的 業務使用 日常生活
車種 輸入車・高級車 軽自動車・大衆車
安全装備
(盗難防止装置 別名イモビライザ-)

(注) 保険会社により違いもあります

 

 

● 相手の体の損害を補償する 対人賠償保険

この保険は自賠責保険で、賠償額が足りないときに補填される役割を果たします。
最近は賠償額の高騰に伴い、補償は無制限の加入がスタンダードです。
場合により自車の搭乗者も補償できることも有。

 

● 相手の物の損害を補償する 対物賠償保険

この保険は事故で、相手の車両や財物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合、直接的・間接的な損害を補填する役割を果たします。

例えば、交差点で相手の車と接触後に建物に突っ込み、店舗を壊してしまった場合、車と店舗の損害合計額が、契約金額を限度に支払われます。補償はやはり無制限の加入がスタンダードです。

 

● 人身傷害保険

一般に交通事故傷害保険といわれる人身傷害保険です。過失割合関係なく、搭乗者の損害をすべて補償する保険です。
保険金額(事故時に支払われる限度額)は1名あたりの前提のため、もしも4名であれば、限度額×4名=実質損害額です。治療費、休業損害、精神的損害、逸失利益などが請求できます。
相手方の合意(示談)を待つ必要はありません。自分の加入している保険会社から支払してもらえます。その後で保険会社が、相手方に求償(払った分の請求)をかけて支払ってもらいます。
人身傷害保険 保険金限度1億円契約の場合 1名につき
人身傷害保険 支払保険金の計算
① 損害の項目
A(死亡、後遺障害)
・ 葬祭費(死亡)
・ 逸失利益
(被保険者が本来得られたであろう収入が得られなくなった経済的損失をいいます。)
・ 精神的損害
・ 将来の介護料(後遺障害)
B(ケガによる損害)
・ 治療関係費(診察・入院・通院・看護・雑費・整骨院・義肢 etc )
・ 文書料
・ 休業損害
・ 精神的損害 (入院1日8400円 通院1日4200円)
②損害防止費用(二次災害を防止したためにかかった費用)
③ 支払保険金(合計額) ・ 損害総額を自分の保険会社に請求の場合、自賠責、
加害者からの賠償金など相当額を含めて一括払いされます。
・ 事故による重い後遺障害で要介護になった場合は、
保険金額の2倍を限度として支払われます。
・ 相手自動車が無保険者の場合、2億円限度として
支払われます。( 保険会社により違いあり )
ただし、傷害の場合は支払われません。

上記①損害の項目 プラス ②損害防止費用=③ 支払保険金(合計額)となります。

       ・

人身傷害保険支払例

ある自動車保険契約で、保険金額1億円を加入している石川さんは、通勤中に対向車に衝突され、入院することなく死亡してしまいました。この場合、保険から支払われる保険金は次のように計算します。

<石川さんの状況>
<職業> 会社員  <年齢> 40歳  <性別>  男性
<家族> 妻と子供2名  <年収> 給与所得500万円
<その他> 定年退職等による将来の減少は考えない事とします。

1.葬祭費

60万円(自賠責基準)ただし100万円まで必要かつ妥当な実費が認められている。
これよりも任意保険基準や弁護士会基準などは高額になる場合もあり。

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2.逸失利益
(収入額-生活費)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数
40歳の有職者の場合 就労可能年数は27年 係数は17.159です。
また本人の生活費は、被扶養者が3名なので30パ-セントとなります。
以上により、石川さんの遺失利益は次のようになります。

500万円×(1-0.3)×17.159=6005万6500円

3.慰謝料 (精神的損害)
2000万円(石川さんは一家の支柱である場合 )
イコ-ル 6005万6500円+2000万円=8065万6500円(あくまでも自賠責基準)
任意保険基準や弁護士会基準だと、その上をいく適正な基準額があります。

※ライプニッツ係数とは、将来受け取るはずの金銭を、前倒しで受け取れるために、得られた利益を控除するために使う指数です。

 

● 搭乗者傷害特約

(特約なので、手厚く傷害補償を受けたい場合に加入をお勧めします)
自分自身や搭乗者のケガを補償する保険

一時金払 あらかじめ決まった金額が支払われます。加害者からの賠償金や、その他の保険金等とは関係なく重ねて支払われます。
日数払 医師などが治療を必要と認めた入院日数と、通院日数にそれぞれの日額を掛けた額が支払われます。✦入院は180日限度・通院は90日限度✦

☞それぞれ保険会社の商品に照らして確認してください。

●車両保険
保険契約する自身の車が被った損害を補償する保険です。
リスクを分けると3つに大別できます。
A) 一般車両保険
オールリスク(全てのリスク)に備える万全の内容と補償です。
当て逃げなどの損害にも対応してくれます。
B) エコノミー車両保険(別の呼び方で車対車 + A)
事故の相手方が車かバイクの限定付で、なおかつ相手の登録番号か身元がわかれば、保険金は支払われます。
C) Aとは
偶然 + 外来 + 突発におきる外的な災害です。盗難、火災、いたずら etc…
担保される範囲が限定される分、保険料は一般条件より安くなります。
支払われる条件
a) 一般条件
衝突・接触・墜落・転覆・飛来物・落下物・火災・爆発・台風・洪水・高潮・その他、偶然の事故による損害。
結果どういう事故でも補償される、オ-ルリスクタイプ。車両に定着、または装備されている付属品が対象になります
② 付属品とは自動車に、ボルト、ナット、ネジ等で自動車本体に固定され、工具等でなければ容易に取り外させない状態のものをいいます。
例 )カーナビ、ETC、ドライブレコーダー、ルーフキャリア、背面キャリア etc
b) エコノミー車両保険
相手が、車かバイクとの事故と、火災・爆発・盗難・台風・落下物や飛来物との衝突、洪水・いたずら・落書き
●支払われる事故例と範囲
一般条件
エコノミー車両保険
電柱・ガードレールに衝突
×
当 て 逃 げ
×
車庫入れに失敗
×
車かバイクに衝突
火 災 爆 発
盗    難
い た ず ら
飛来中、落下物との衝突、落下物との衝突
台風・竜巻・洪水・高潮
地震・噴火・津波
 ×
 ×
地震による災害を担保する特約もあります  (保険商品により要確認)
◆分損の場合◆
①損害額
損害額 = 事故の範囲内で事故前と同じ状態に戻す修理費
②車両免責金額( 契約者が負担する額 )
保険証券記載の免責金額になります。
③損害保険金
①損害額 - ②車両免責金額 = ③ ≦ 保険金額
「 ※③が保険金額を超える場合でも以下の④は別途加算して支払は受けれます。
④費用
1. 損害防止費用
2. 請求権の保全、行使手続き費用
3. 盗難車両引取費用
4. 車両評価損 (格落ち)
5. レッカ-費用
6. 代車(レンタカ-)費用
※それぞれ事故状況により組み合わせてください
⑤支払保険金
③損害保険金 + ④ かかる費用= ⑤支払保険金
◆全損の場合◆
①損害保険金
保険限度額が損害保険金として支払われます。
※免責金額の適用はありません。
②費用
1. 損害防止費用
2. 請求権の保全、行使手続き費用
3. 車両運搬費用
4. 盗難車両引取費用
5. 車両全損時諸費用
③支払保険金
①損害保険金 + ②かかる費用 = ③ > 保険金額
支払われる車両保険金の計算
◆◇質問◇◆
石川さんは任意保険に車両保険(一般保険)を契約しています。
石川さんはある日、交通事故を起こし、走行不能になってしまい、ロードサービスで修理工場へ車が運ばれました。
この保険から支払われる保険金はいくらでしょうか?
◆契約内容◆
車両保険金額
150万円
車両免責金額
10万円
◆損害状況◆
車両修理費
90万円
搬送費用(事故現場から修理工場まで)
5万円
◆◇答え◇◆
損害額 90万円 - 免責金額 10万円 = 損害保険金 80万円
損害保険金 80万円 + 車両搬送費用 5万円= 支払保険金 85万円 となります。

 
 
 

◆◇質問◇◆
金沢さんは車両保険を契約しています。
ある日信号待ちでとまっている車に追突事故を起こしてしまいました。
自分の車はロードサ-ビスで修理工場に運ばれましたが、金銭的全損となりました。
保険から支払われる車両保険金はいくらでしょうか?
◆契約内容◆
車両保険金額
100万円
車両免責金額
10万円
◆損害状況◆
車両修理費
120万円
搬送費用
5万円
◆◇答え◇◆
車両保険金限度額 100万円 - 免責金額 0万円 + 搬送費用 5万円 + 全損時諸費用 10万円
= 支払保険金 115万円 となります。
 「 全損による保険金の支払いは免責金額(契約者負担金)は免除されます。」
*保険会社により内容を確認してください
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