自動車を動かすには燃料が必要です。
ガソリンや軽油は主に炭素と水素で
構成されており エンジンで燃料
として消費されると
窒素化合物や二酸化炭素を
生み出します。
窒素化合物、二酸化炭素ともに
温室効果ガスとして地球温暖化に
影響があるので
厳密には ガソリン車に乗っていると
環境破壊に繋がるとも言えます。
電気自動車(以下EV)とは
ガソリンではなく電気を燃料にして
動く自動車のことです。
EVはバッテリーに蓄えた電力で
モーターを回して走るため
走行時に排出ガスを一切出しません。
ガソリン車にはエンジンがありますが
EVにはエンジンの代わりにモーター
があり バッテリーに蓄えられた
電気がモーターを駆動させます。
走行中にCO2を排出しないため
環境負荷の少ない車です。
そのために
ゼロエミッション・ヴィークル
(排出ガスゼロの乗り物)といわれる
理由がここにあります。
しかもなめらかで力強い発進ができ
アクセルペダルで車のスピードを
コントロールしやすい点も
EVのメリットです。
非常時には
電源として活用できるのも
大きな魅力となっています。
ここまでは いい事ずくめですが
EVのバッテリーに蓄える電気が
どのようにして作られているか
考えると EVもゼロエミッション
ではないことがわかります。
太陽光や風力といった
再生可能エネルギーや
原子力だけで発電するのであれば
排出ガスは事実上ゼロになりますが
現在日本の発電量の約7割は
石炭を燃やす火力発電です。
これは車の排気管からCO2を出さない
代わりに発電所でCO2を出している
ことを意味します。
であれば 日本国においてEVは
エコとは言い難い現実があります
さらに
EVのデメリットとしては
以下のような点が挙げられます。
デメ1:充電に時間がかかる
ガソリンスタンドで満タンにするには
10分もかかりませんが
EVの充電には時間が必要です。
自宅の充電設備(100Vまたは200V)
でフル充電するには7時間から15時間
程度必要です。
急速充電の場合は80%の状態まで充電
するのに20分~30分ほどで済みますが
それでも給油と比べれば
時間がかかると言えます。
デメ2:充電スポットがまだまだ少ない
急速充電スポットの数は拡大しつつ
ありますがガソリンスタンドの数に
比べるとまだまだ少ないのが現状です。
EVを販売するディーラーでは他社製の
EVにも充電スポットを開放していますが
「その会社の車でないのに
充電するのは気が引ける」という
日本人特有の声もあります。
また時間がかかるうえに充電スポットが
少ないため 充電するために順番待ちの
列ができることもあります。
目的地への到着時間が遅れるといった
影響が出る可能性があります。
デメ3:バッテリーに寿命がある
ガソリン車やハイブリッドの寿命が
平均的に走行距離10万km・10年と
言われているのに対して
EVのバッテリー保証期間は約8年です。
保証期間が過ぎても乗り続けられますが
使用回数によって劣化し
走行距離が短くなったり同じ時間でも
充電される量が少なくなるなどの現象
が起こります。多くの場合保証期間を
過ぎたころからバッテリー劣化を
感じるようになると言われています。
バッテリー交換は可能ですが
高額な費用が掛かります。
デメ4:車両価格が高額
駆動用バッテリーとして使用している
リチウムイオン電池は製造コストが
高いため、ガソリン車に比べて
本体価格が高くなります。
国や自治体による補助金もあり
EVの需要は増えつつありますが
価格が下がるまでにはまだ時間が
かかると言われています
今後 EVを普及させるためには
このような課題を
解消する必要があります。
最もEVの普及が進んでいると
いわれているノルウェーでは
2020年の新車販売台数におけるEVの
占める割合は約5割に達しています。
日本政府も2020年に発表した
「2050年カーボンニュートラル宣言」
が関係しています。
これは2050年までに脱炭素社会を
実現して温室効果ガスの排出量を
ゼロにしようという取り組みです。
様々なエネルギーの車両や
電動キックボードなど
次世代モビリティ開発や導入が
盛んに行われているなか
EVも次世代の車社会を担う
注目のエコカーのひとつです。
EVの購入を検討されている方は
メリットとデメリット 現在の環境や
利用目的などを踏まえ 購入前に
しっかりと検討して
将来の選択肢の1つに考えても
おかしくはありません。
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