ここ最近10年間に全国で
大型トラックやトレ-ラ-のタイヤが
走行中にはずれる事故が12倍に
急増しています
昨年度は過去最多の131件で
冬の時期に多いというデータが
残っています。
大型タイヤの重さは約100キロ
直径は約1メートルもあり
はずれて周囲の歩行者や車輛に
衝突すれば死亡事故になっており
大変恐ろしくて危険です。
記録に残る事故の1つに
2002年1月 神奈川県横浜市の
県道で 走っていた大型トレ-ラ-の
左前輪が脱輪してしまい
下り坂で50メートル程転がった
タイヤは 歩道を歩いていた
20代の女性に後ろから直撃し
押し潰された女性は命を
落としてしまいました。
脱輪事故は昨年は3分の2の事故が
11月~2月の間に起きています。
地域別では 北海道が19件
東北が43件と半数近くの数で
北信越が18件 関東が17件
中部と中国がそれぞれ12件などと
なりました。
国土交通省は数字から 冬用タイヤへの
交換作業に原因があると懸念しています
交換の際のナットの締め付けが
規定トルクに足りないや
約100キロ走行後に「 増し締め 」の
作業を施工しなかったことで
事故になっている恐れが
あるとしています。
なぜタイヤの脱落が起こるのか?
そして左車輪に偏るのは何が原因か。
あるジャ-ナリストは以下の分析を
しています。
日本の道路事情に少なからず
要因があるのではないかと。
というのは センタ-ラインから
路肩に向けて水はけをよくするため
微妙に傾斜がつけられていて
左側の車輪は右側よりも負担が
かかりやすいそうです。
物理的な要因として左後輪に
大きな負担がかかるためとも
解説しています。
ある運送会社のベテランドライバー
は重量物を積む場合は意識して右側
になるべく積載するようにすると
バランスがよく、運転にも影響する
と証言する人もいます。
あと考えられるのは
大型トラックは2010年以降
右側車輪をとめるボルトは右ネジ
左側車輪は左ネジという国内規格から
左側も右ネジという国際規格に
変更されました。
この変更により左側は 車輪の回転と
ネジが緩む向きが同じで脱輪に繋がって
いるのではとの見方もあります。
まして脱落するタイヤのほとんど
が後輪のため違和感を覚えたと
しても確認することも出来ません。
ましてや高速道路では車をすぐに
停めるわけにもいきません。
事故当事者のトラックドライバーから
話を聞いたという関係者は
ドライバーは「何が起きたのか
わからなかった」 というくらいで
「誰かにタイヤがぶつかったらどう
しよう」 という思いには
ならないそうです。
それほど気づきにくい事故だそうです。
では同じ道路を走行する
他のドライバ-や歩行者はどうやって
身の安全を確保すれば
よいのでしょうか?
答えは見つかりません。
いつ発生するのか見当もつかない
ような脱輪事故は発生から
衝突までの瞬間も数秒間で
予見することが不可能と思われます。
予防としては大型トラックや
トレーラーのまわりを走る時は
車間距離をとることや
歩行者の場合だと近づいてくる
トラックからは目を離さないという
くらいしか考えられない厄介な
事故と意識するしかありません。