2020年9月から
東北道の一部区間で最高速度が
120km/hに引き上げられました。
これが高速道において日本で
初めての正式運用となりました。
実施されたのは岩手県の
花巻南IC~盛岡南IC間の
約27kmです。

120km

 

施行前には
「スピードの出し過ぎで危険」や、
「速いクルマと遅いクルマの速度差が
大きくなり危険」
といった声もありましたが、
岩手県警交通規制課によると
1~2年間で最高速度110km/hと
120km/hを試験的に比較実施
したところ 以前と事故数や負傷者数が
ほとんど変わりなかったという
結果が出ました。
こうした結果から岩手県警は
実勢速度や事故件数そして
ドライバーへの影響は
ほぼ変わらない と発表しています。
2020年12月
新東名高速道
浜松いなさJCT~御殿場JCT間で
145kmの完全6車線化が実現し
最高速度も正式に120km/hに
引き上げられました。
新東名は2012年から順次開通し
設計速度は120km/h、
将来は140km/h走行も視野に
含まれているそうです。
補足ですが
大型トラックや大型トレ-ラ-は
現行のままで 80km/hで
据え置かれます。

120km-3

ではなぜ今までは
100km/hだったのに
これからは引き上げを推奨して
いくのでしょうか?。
設計速度を決めたのは主に線形
わかりやすくいうとカーブの
曲線半径と勾配です。
その他、車線の幅員や路肩の広さ
視認出来る距離などであり
一昔前に造られた高速道に関する基準は
1970年に施行されたまま現在も
変わっていません。
なぜ制限速度が100km/h上限
だったかというと 設計速度と制限速度は
ほぼほぼ無関係であるらしいようです。
国土交通省が決めるのは設計速度で
警察庁が決めるのは制限速度。
両者はほとんど連携されずに
それぞれの管轄で
それぞれの基準を施行していただけ。
高速道の制限速度100km/hも
名神の開通以来変わっていない。
50年以上も経過している
にもかかわらず  現代のクルマの性能は
飛躍的に進化しているのに最高速度
が変わらないのも変な話に
聞こえるかもしれません。
道路交通の後進国だった中国や韓国でも
数年前から最高速度120km/hに
引き上げられているのに
日本においては「120km/hは危険」
というのは解せないのでは
ないでしょうか。
警察庁はそのような最高速度120km/h
という世界的な流れから、
正式な引き上げを行ったのでは
ないでしょうか。
その要因として
2013年 当時の国家公安委員長の
「速度が実態に合っていない」
と発言したことが方向を変えたという
専門家もいます。
それに加えて、近年、車に搭載される
運転支援システム
①自動ブレーキ
(衝突被害軽減制動制御装置)
②クルーズコントロール
(車間距離制御装置)
③レーンキープアシスト
(車線逸脱警報装置)
120km-4
などにより
安全性が格段に上昇したことが
その背景にあるのではないでしょうか

 

現在120km/hが適用されている
区間基準が該当する片側3車線区間は
東北道 浦和ICー佐野スマートIC
常磐道 柏ICー水戸IC
東関東自動車道
千葉北ICー成田IC
新東名道
御殿場JCTー浜松いなさJCT
交通規制の実施権限は
各都道府県の公安委員会であること
高速道路会社と各警察において
調整が入ったうえで決定されることに
なります。
より便利に快適に利用するためにも
私たちが安全に運転できるかが
焦点になります。
そうなれば最高制限速度120km/h
区間は少しずつ増えていくでしょう。