令和2年における
状態別交通事故死者数は
歩行者 35%
自転車乗用中 15%
と 2つで半数を占めてしまいます。
また自宅からの距離別での死者数は
500m以内が49%と半数を占めます。
このことから 死亡事故は
自宅の近隣で そして生活道路で
多くが起きていると推測できます。
車の速度を抑えて 生活道路の
事故防止に取り組んでいる
地域が全国各地にあります。
そのひとつが
横浜市緑区中山町地区周辺で
周辺の幹線道路の抜け道として使われ
対策前は30キロの速度規制にも
かかわらず
それを大きく超えるスピ-ドで
通り抜ける車が後を絶ちませんでした。
その地区では2015年から2018年に
約20件の人身事故が発生し
数年前には小学生が
ケガをした事故もありました。
地域住民たちがこの状況を変えようと
地方自治体の協力のもとで
①「 生活道路対策エリア 」として
地域ごとにモデルとなる危険な
生活道路・交差点を抽出して
② 管轄の国道事務所等へそれを
登録申請します
それが承認されれば 警察や学校や
教育委員会や地域住民などで通学路の
交通安全確保の取り組みを行います。
③ その成果をホ-ムペ-ジなどで
発信して多くの地域住民や道路利用者に
理解と協力を得て事故削減につなげる
上記の成果の主な取り組みは以下の
物理的 視覚的要素のデバイスを
利用しています
A スム-ズ横断歩道
車道方向にハンプ構造にして
自動車の走行速度の低減を図るとともに
歩道と横断歩道の段差の解消。
横断歩道はハンプの平坦部に設置される。
B ライジングボラ-ド
車両抑制のエリアを
自由に設定できるポ-ルです。
ソフトとハードがありソフトポ-ルは
万が一 人や車が接触しても安全です。
またモータ-により上下動ができる
ものもあり下降時は安全に
車両通行が可能です。
C ハンプ
ハンプとは道路上に設けたコブ状のもので
車両の速度抑制の効果があります。
平坦部の長さ2m以上 凸部の高さは
10㎝を標準とします
傾斜部の勾配は5%~8%以下が標準です
D 道路狭さく
自動車の通行部分の幅を物理的に狭くし
あるいは視覚的にそう見せることにより
自動車の運転者が速度を低減する
E 路肩カラ-舗装
交差点附近やカーブ付近に施行することで
ドライバ-に徐行や減速を促したり
前方に注意を促す役割が期待されます。
学校近くや住宅地では路側帯の存在を
分かりやすくして歩行者の保護を
目的としています。
このような取り組みを数字で
対策前の走行速度と比較すると
平均32.5キロから
施行1か月後25.5キロまで
1年後には24.3キロまで減少して
8キロ以上も下がりました。
このような物理的な実験をはじめ
各方面の協力で実際に効果が表れている
地域が他にもたくさんあります。
最近ではこの生活道路対策エリアが
ゾ-ン30プラス という名称に
引き継がれて
警察庁が中心になり広がっている
ということです。