緊急自動車が接近してきたら

緊急自動車　（以下緊急車両 ）とは
人命救助や建物火災や交通事故の
対応など　緊急を要する業務に
係わる自動車です。
緊急車両にはさまざまな
種類のものがあり警光灯を点滅させ
サイレンを鳴らしながら走行します。

車を運転中にパトカーや救急車 消防車
などの緊急車両が近づいてきたら
速やかに道を譲らなければならない
ことは自動車学校で習いました。
そこで緊急車両の定義や種類
近づいてきたときの
対処法などを調べてみました。

 

 

緊急自動車の定義

緊急車両とは人命救助 火災や
事故への対応など 緊急を要する業務
に就く自動車のことをいいます。

 

緊急自動車にはどんな車があるの？

緊急車両は道路交通法施行令第13条で
以下のように定められています。
パトカーや消防車 救急車以外にも
公的なもの 民間のものを含め 多数の
車両が政令で緊急車両に指定されています。

ー主な緊急車両ー

警察車両
消防車両
救急車両
自衛隊車両

緊急車両は火災現場へ行ったり
病院に搬送するなど緊急用務を遂行
するために赤色の警告灯をつけ
サイレンを鳴らして「運転中」
であることが要件とされています。

従って警告灯の点灯をしていない時や
サイレンを鳴らしていない
停車中である場合は「 緊急車両 」と
みなされないので注意が必要です。

このように人命救助や事故 火災など
緊急事態の解決のために走行する
緊急車両は 用務の緊急性から
多くの特例規定があります。

 

右側通行の特例
(道路交通法第39条1項)

一般車両はすべて左側通行です。
しかし 緊急自動車の場合は追い越しを
するためやむを得ない必要があるときは
道路の右側部分にその全部または
一部をはみ出して通行できます。

 

 

停止義務免除の特例
(道路交通法第39条2項)

赤信号や一時停止ラインなど
「法令の規定により停止する場合に
おいても 停止することを要しない」
とあり 停止義務が免除されています。
(ただし徐行義務と第70条の
安全運転義務は免除されません)

 

横断歩道接近時の減速義務免除の特例
(道路交通法第41条1項)

一般車両は横断歩道 自転車横断帯に
接近する場合は横断しようとする
歩行者が明らかな場合でない限り
横断歩道の直前で停止できるような
スピードで走行しなければいけませんが
緊急自動車にはその義務がありません。

 

緊急自動車にも制限速度はあります。
ただし 緊急走行時の最高速度は
緩和されており 以下のようになっています。

一般道路：時速８０km
高速道路：時速100km

 

このように道路交通法のなかでは
緊急車両は特異な存在で
一部法律を免除されていると
いうことにとなります。

 

緊急車両が接近してきた場合
基本的に左側に寄って
緊急車両に道を譲ります。
すんなりと道を譲ることができれば
問題ありませんが なかなか上手に
道を譲るのが難しい場面が
あるかもしれません。
道路交通法では緊急車両が接近して
きた場合の対応を次のように定めています。

 

道路交通法第40条
緊急自動車の優先

交差点又はその附近において
緊急車両が接近してきたときは
自車は交差点を避け かつ
道路の左側に寄って
一時停止しなければならない。

前述のとおり 緊急車両が
近づいてきたときは 進路を
譲らなければなりません。
もし進路妨害をしたらどんな罰則に
問われるのでしょうか。

緊急車妨害等違反

道路交通法第40条「緊急自動車の優先」
及び第41条の2「消防用車両の優先」に
より車は緊急車両が来たら交差点を
避けて一時停止し 緊急車両を
優先することが義務付けられています。

 

緊急自動車(緊急車両)と遭遇した際の
事故について

緊急車両と遭遇した際に 最も気をつけ
たいのが接触事故です。
そこで緊急自動車と遭遇した際の事故の
過失について解説します。

緊急自動車は 道路交通法第39条により
赤信号でも停止することなく交差点に
進入することが許されています。
たとえば緊急自動車が赤信号で交差点に
進入した際 対面信号が青信号で交差点に
進入してきた自車と接触事故を起こした
場合 過失責任はどちらにあるのでしょうか。

なんとこの場合の過失割合は
自車：緊急車両　=　8 対 2 です
緊急車両側が赤信号でも
そういう割合になるのは
それだけの緊急性や重要性が
認められているからなのです。

緊急車両が明らかに先に交差点に
進入していた場合などは
さらに過失割合が高くなることも
ありえます。

緊急車両にも安全な速度と方法で
進行する義務が課せられていますが
緊急車両がよほどスピードを出しすぎて
いない限り 過失責任は自車のほうが
大きくなります。

 

 

 

 

 

 

 どうすれば緊急車両との事故を
防げるのでしょうか？

 

まず日頃から車内の音量を
しぼることが前提になります。
そして緊急車両のサイレンが
聞こえた時点で
スピ－ドを落とすことが基本です。
次にどちらの方から緊急車両が
近づいてくるかを見極めてください。
例えば　自車が交差点近くにいたなら
交差点には進入せずに左側に寄せて
止まるくらいをイメ－ジしてください。
また交差点の真ん中で右折しようと
している場合は　緊急車両が通り過ぎる
までは動かないというのをイメ－ジし
頭で理解しておけば
慌てずに対処できるはずです。

 

 

 

チュ－リッヒ保険より一部抜粋