国土交通省は2022年7月
衝突事故時に運転情報を記録する装置
「イベント・データ・レコーダー」の
搭載を新型車に義務付けます。
EDR=イベントデーターレコーダー
とはどういうものかというと、
記録されるのは車速・エンジンの回転数
アクセル・ブレーキの踏み具合
ABS ブレーキオイルの圧力
加速度 シートベルトの着用の有無
ハンドル角度などさまざまに至ります。
航空機のフライトレコーダーに
近いと思われます。
ただし、フライトレコーダーは
常時記録しているのに対し
EDRは事故の瞬間の前の5秒前から
事故後の2秒間を記録するのです。
このEDRはACM
(エアバック・コントロール・
モジュール)という
ECU(コンピューター)の中に
仕組まれています。
わかりやすくいうと、USBメモリーの
ような記録装置です。

EDR

対象となる車両は乗員定員10人未満の
乗用車と総重量が3500kg以下の
貨物車両です。
その他の車両は2026年7月以降に
生産する車両から始まります。
事故の時の記録する装置といえば
ドライブレコーダーをイメージしますが
ドラレコは映像及び音声データーを記録
するもの。
一方 EDRは映像や音声でなく
事故が起きた時のアクセルや
ブレーキの状態  速度
エンジン回転数  ハンドルの角度などの
情報が記録されます。
2019年4月  東京・池袋で
乗用車による暴走死傷事故で
製造元のトヨタ自動車は
車両に搭載されていたEDRから
解析をしたところ車両側には
異常や問題がなかったとの
アナウンスを出しました。
EDRから事故発生時のデータ
読み出しを行うのには
「クラッシュ・データ・リトリーバル
(CDR)」という機器が必要です。
アメリカで2000年に
ゼネラルモーターズが初導入してから
最も主流になっているボッシュ社製の
CDRは17メーカーに
対応しているといいます。
そのCDRを分析するには
専門の知識と訓練を受けた
有資格者が必要なのですが  現状
国内には充分な人材は存在しません。
交通事故の件数は年間150万件と
いわれており EDRのデータを
活かすには人材が足りないことが
ネックになります。

EDR2

 

大手損保や警察機関・検察庁など
活用する動きは官民問わず広がり
これから自動運転へと進化していく
車にとっては重要なアイテムになる
と思われます。
あいおいニッセイ同和損害保険は
ボッシュが認定する
「CDアナリスト」を多数育成し
これまで数多くの
EDRデーターから事故調査を行い
保険金の支払いまでの期間を
短縮するなどの成果が出ています。

 

EDR

国土交通省は得られたデーターを
事故原因の正確な特定や事故を防ぐ
技術の開発に生かしたい考えです。