交通事故で車両を修理している間や
時価額全損になり
車両が納車されるまでの期間
被害者には代車が必要になります。
車両保険の代車特約がついてればよい
ですが そうでない時は実費となります
この時に修理会社や販売店の代車は
借りたときには使用料が発生しますが
レンタカーを除いた大概の場合
お客さんに全額は請求してはいません
これは修理会社や販売店の
お客さんに対する思いやりです

 

しかし法律事務の交通事故の場合
本当はその代車費用も損害として
過失割合分請求できること
知っていますか?

保険会社はこの支払いには
かなり否定的で「0対100 の一方的な
過失でないと出ません 」と言い切ります
例えば 20対80の過失割合で
被害者が 20%は自腹を切るから残りは
払ってほしいと頼んでも
保険会社の支払い担当は
『 お互いに過失がある事故は
費用が出ません 』
と 普通に拒絶してきます
「いつもは修理会社や販売店で
ほとんど無償で借りれてるんでしょ」
と関係ない他人事のよう
抵抗して請求しようとすると
保険会社支払担当者は
「裁判でもなんでもやってください」と
誠心誠意のない返事が返ってきます。
払うか否かの交渉事なので相手が
納得すれば勝ちなのはわかりますが
被害者を救済する商品を販売してるにも
係わらず 旧態依然で相手被害者を
言いくるめるのをいつになったら
改めるのでしょうか

 

商品

 

 

 

 

 

 

これは保険会社同士が裏で結んだ
払い渋りの代表事例であり
実際裁判でも過失が有だから支払いを
認めないというのは1件もありません
わかりやすい例でいうと
被害者に80%の過失を裁判所が
認定したケ-スでもその被害者に
20%の代車料を認めています
( 東京地裁平成19年11月29日判決 )
では何でも相手方に費用請求できるのか
というと費用が認められる場合と
そうでない場合があります。

 

相手方に代車費用を請求できる条件
代車(レンタカ-)費用が支払われるか
否かは 大きく分けて3つの判断で
分けられます (過去の裁判の判例より)
① 代車(レンタカ-)を使用する必要性
② 使用する車種・グレ-ド
③ 使用が認められる相当期間

 

①代車(レンタカー)を使用する必要性
被害者が被害車両を日常
どのように使用しているか
通勤や業務上での使用で自動車を
必要とする具体的な理由が
あれば認められます
また住んでいる場所が郊外で
公共交通機関がない場合も認め
られます
逆に過失がゼロでも必要性が
なければ代車費用を認めない
判例もあります。
2台の車を所有していて
もう1台の車を制限なく使用できる
のならば 代車の必要性はないので
認められないケースもあります

 

②使用する車種・グレード
代車やレンタカーの費用は
事故で修理する車のグレードと
同等か それ以下の車種であれば
認められます
事故車が軽四の場合に
レンタカーが大型乗用車では
その費用は認められません
また被害車両がベンツなら
代車もベンツにしたいところですが
相手保険会社は認めません
せいぜい国産の高級乗用車までと
思われます

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被害者として信義則上 損害の拡大を
最少限度におさえるべき義務がある
もの (以下略) として
被害車両キャデラックの代車に
ポンティアックボンネビルブロアムを
1日あたり7万円で借りていたのを
認めず 国産高級車の代車料
1日あたり1万5千円の11日間を
認定した>
『大阪地裁 昭和62年1月29日判決』
短期間なので 料金の高い車を
使用する必要はない 低料金の
国産車で我慢しなさいということです。
これは
被害者側の「損害軽減努力義務」
という加害者側の負担を出来る限り
少なくしてあげてねという
思いやる必要があるためです
(民法1条の2)

 

③代車の使用が認められる相当期間
全損の場合の買い替えまでの
必要な期間は損害査定の結果が出た
日から保険会社によって
2週間から30日間とまちまちです
修理の場合には修理完成日
までに必要な相当期間が認められます
それに加えて 修理見積や準備するた
めの交渉などの必要な期間も「相当」
期間に含まれるという判例もあります。

 

h判例

 

 

 

 

 

 

相手がいる交通事故では
最悪 裁判までのことを考えて
請求の根拠や証拠を
しっかりと記録や保存して
おくことが大切です