事故の被害者が
車の損害賠償を相手方( 保険会社)
に 請求するとき まず 損害が
全損 (全部損害) か
分損 (部分損害) かを
考えなければいけません。

 

大破

 

『パネルがへこんだ』
『バンパーが傷ついた』
ぐらいの損傷ならば
分損と判断できますが
問題は見た目に大きく壊れた
ときや 年式が古い車の場合です。
賠償の考え方は 車の「時価」が
基本になり 古い車の場合の
時価はオーナー(所有者)が思って
いる以上に低い金額です。
年式が古い車の場合 修理費と
同時に「時価」がどのくらいかを
調べなければなりません。
※時価とは=車が事故にあう
直前の状態での価格。

 

賠償額を少なくしたい
加害者側の保険会社の根拠は
くるまの時価はレッドブック* で
決まっていると。
まぁ-これも間違いではないですが
新車から1か月単位で
減価償却した金額を現状の価値に
置きかえたもの というものです
そんな勝手な根拠に納得していては
バカを易々手に入れることになります

*オートガイド社が発行する
自動車価格月報の通称名

 

それでは「時価」をどうやって
調べるかとなるのですが
ネットや中古車情報誌で
車種・年式・似たような走行距離の
車を何台か見つけて
平均値で算出するのが一般的です。

 

中古車雑誌

 

 

また 15年以上使用した車で
1,2ヶ月以内に廃車処分にしようと
考えている場合は
1日 2,000円 × 日数で評価します。
これは時価というよりは車の
使用価値を金銭に置きかえる
1つの考え方です。
例えば 石川さんが信号で
停車中 後ろから追突され
新車登録から13か月の
愛車が全損となりました。
加害者側の保険会社は
時価180万円を払うと言うので
石川さんは自動車販売店で
同じような車を契約しました。
ところが自動車販売店から
車の購入代金は保険金で
当てれるが登録諸費用を
あと40万円用意して欲しいと
言われました。
石川さんはここで
時価180万円には
車を乗り出すためにかかる
諸費用は含まれてないと
理解しました。
石川さんは『自分は全く悪く
ないのになぜ40万円も負担
しなければいけないのか!』
実はこんなケースの場合
請求できる損害は車の時価
だけではないのです。
なぜなら 車には法による
多くの規制があります。
整備・車検費用、
登録・車庫証明費用、
取得税・重量税を支払う、など
すべてにお金がかかります。
これら諸費用を払って
公道を走れる状態にして
はじめて事故にあう直前の
状態に戻れるわけです。
もっと詳しく言うと 事故の
ために時間と労力までが
うばわれたのだから
それも損害と考えたくなるはずです。
であれば 本来受け取れる賠償は
事故にあう前と同じ快適な
生活に戻るまでにかかる
すべての費用が正当の
金銭賠償になります。
ここまでの全てを
「原状回復費用」といいます。

 

車両登録諸費用について
中味を見てみると

・車の時価にかかる消費税→請求できる
・自動車取得税→請求できる
・車検費用→請求できる
・車庫証明費用→請求できる
・登録手続代行費用→請求できる

・自動車税、軽自動車税→請求できない
・自賠責保険→請求できない
・自動車重量税→請求できない

 

 

見積書

 

 

 

 

もしもこれらの登録諸費用の
支払いについて 加害者側の
保険会社は認めることが
出来ないと支払い拒否した場合は
自車の弁護士費用特約を使って
お付き合いのある販売店さんや
ネットサイト上で 同等クラスの
車輛購入する際の見積書を
根拠にして 支払いを正当化して
下さい。