今年の夏頃 宝達志水町の国道249号の交差点で 盗難車両として
パトカ-から追跡されていた19才の少年が運転する 軽ワゴン車が
信号無視で交差点内でタクシ-の側面に衝突しました。
タクシ-の乗客の女性と男性が死傷し男性運転手も負傷しました。
少年は無免許運転でした。
記憶に残る非痛な事故ですが
乗客である被害者の立場から民事について考えられることを整理していきます。
① 未成年に対しての損害賠償請求
まず最初に 未成年者は他人に損害を与えた場合
「 自分の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていないときは
その賠償の責任を負わない 」 という民法上の責任無能力者に
あたる場合があります。
この事故が本当にそのように判断されたならば請求は困難でしょう。
② 未成年の保護監督者に対して請求
未成年者が責任無能力者である場合 保護監督者に対して
損害賠償請求を検討します。
なお例外で未成年者に責任能力があった場合でも保護監督者の
監督ミスと事故の因果関係があるとされる場合には保護監督者に
損害賠償請求をすることが可能なのだが これが認められるケ-スは
非常に少ないのが現状です。
③ 自動車所有者に対して請求
通常の管理のもとで盗難された場合では所有者に対して
損害賠償請求をすることができません。
しかし 管理に問題があった場合 (たとえばエンジンを切らずに
何時間も放置したなど) は所有者に損害の一部を請求することが
可能ですが なかなか困難なのが現状です。
④ 盗難車の自賠責保険に相談
今回の加害車両は盗難車であり 基本的に自賠責保険や自動車保険では救済されません。
ただし被害者救済を謳う自賠責保険は盗まれた状況や事故状況などを
考慮して 総合的に判断すると思われます。
万が一に保険もダメならば・・・・
⑤ 政府保障事業に対してお願い
もしも自賠責保険が支払われないならば
今回のような無保険状態の車との事故の場合なので
損害保険会社(自分が加入しているところでもどこでも良い)を通じて
政府保障事業を利用して補償を受け取ることができます。
ただし自賠責保険とほぼ同等の内容なので
充分な補償とはならないことが予想されます。
なお政府は支払った金額を加害者に求償します。
⑥ タクシ-の自動車保険に助けてもらう
旅客自動車運送事業者は任意保険加入が義務化されています。
タクシ-運転手もケガをしているので タクシ-会社が保険請求するならば
同乗者として救済されるでしょう。
ただ今回 タクシ-は過失がないと判断できるので絶対と言いきれません
⑦ 被害者自身の保険の利用
被害者自身やその家族が加入している自動車保険の対象になることがあるので
保険会社や代理店に問い合せて確認するべきです。
人身傷害保険や搭乗者保険が付帯されていれば請求できるでしょう
または弁護士特約があれば専門家に一任するのが良いでしょう。
番外
そのほかにたとえば 今回の事故は考えにくいのですが
パトカ-の追跡方法に問題があれば国家賠償請求ということで
検討の余地はあります。
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