2022年9月13日
午前7時20分頃
金沢市南小立野小学校4年
(当時)のSさん10歳が
登校中に市道を横断した際
右から来た乗用車にはねられ
頭を強く打ち 現在も
意識不明の重体となっています。
現場は信号と横断歩道のない
片側一車線の直線道路でした。
友達の家に寄るため
いつもより少し早く
家を出た直後でした。
「Sちゃんがひかれた」
近所の人の大きな叫び声で
お父さんは家を飛び出すと
娘が2軒隣の家先で
倒れていました。
見るに堪えない姿だったと
お父さんは回顧しています。
当たり前だった日常が消え
心えぐられるような事故は
突然やってくるのです。
明るく活発で妹思いのSちゃん
前日の夜は大好きなダンスを
妹たちと一緒に踊っていました。
徒競走は1位で
図工は賞を取って
美術館に飾ってもらった。
面倒見がよく、
妹たちをお風呂にも入れて
くれるし 家族のダメージは
大きいです。と
事故現場は路側帯が約1mと
狭い住宅街の生活道路
すぐそばは緩やかな下り坂に
なっており 加速した車が
歩行者すれすれを通過する。
過去には横断歩道と
信号機の設置が検討されたが
スペースの問題で見送られて
改善されないままでした。
交通安全施策に詳しい
金沢大・森崎裕磨特任助教授
(土木計画学)は
事故現場の市道について
道路構造上の課題と交通量の
多さから事故が発生しやすい
地点だといえると話しています。
地域住民への危険箇所の
周知活動も重要とし
特に子どもに対しては
「通学路上の危険箇所をイメージ
しやすいよう画像などを使って
具体的な場所を理由とともに
伝えることが大切だ」と語ります。
車の運転をしていた
金沢市末町のN被告(34)が
過失運転傷害の罪に
問われています。
検察側はN被告が
スマートフォンで動画を見ようと
脇見運転をしていたとして
禁錮2年6ヶ月を求刑し
弁護側は
執行猶予を求めていました。
2023年9月25日の判決で
金沢地方裁判所の川内真理裁判官
は「前方左右の確認をしなかった
という被告の過失は極めて重大」
と指摘。
その一方で
「N被告はこれまでに
交通違反歴がなく
任意保険により
損害賠償金が支払われる見込み」
だとして
禁錮2年6ヶ月 執行猶予4年の
判決を言い渡しました。
この判決を受けて
Sちゃんの父は報道陣の取材に
「ものすごく軽い判決だなと
思うし 娘のためだけではなく
今後このような事故が少しでも
起こらないように
闘ってきたものだったので
結局何も変えられていなかったと
悔しい思いでいっぱい」と
コメントしました。