2019年5月
兵庫県 明石商業高校3年生の
小池太陽君は 友人と食事をした帰りに
明石市のJR大久保駅東側の踏切を
自転車で通りかかりました。
そこですれ違った少女が 踏切内で
変な行動をしていたのが目に入りました。
よく見ると 踏切の外側にかばんが
置いてあるのに気付きしばらく
少女を注視していました。
その後警報音が鳴りはじめ遮断機が
下りた後も少女は動きませんでした。
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踏切の幅は約15メートルあり
小池君は慌てて遮断機をくぐり
中に入り 少女の手を引っ張り
外に出そうとしました。
しかし少女は抵抗し
踏切に戻ろうとしましたが
小池君は
「そんなことしたらあかんやろ」
と制止しました。
電車は通過し
無事少女は一命を取り留めました。
「なんでこんなことをしたん?」
と 少女に尋ねると
家族とトラブルになり自殺を考えた
ことを打ち明けました。
たまたま踏切を通ってから約15分。
少女は少し落ち着いた様子でした。
その後パトカ-が偶然通りかかり
警官に少女を引き渡しました。
その後 地元の明石署から表彰された
小池君は「人通りが少ない場所だった
ので自分が助けるしかないと思い
とっさに体が動いた」と回顧しています。
そして「人助けをしたというより
当たり前のことをしたかんじ
命を救えて本当にうれしい 」
とはにかんだそうです。

 

 

2021年 7月
和歌山県立 和歌山北高校教論の
貴志結衣さんと松下彰吾さんは
同僚が運転する車で
昼食を買いにでかけました。
途中南海電車紀ノ川駅近くの踏切に
差し掛かった時 助手席の貴志さんは
異変に気ずきました。
自転車に乗っていた高齢の女性が
踏切内(約30メートル)で
転んでしまいました。
地面に倒れ起き上がる様子がないと
その時警報音が鳴り始め
遮断機が下りてきました。
非常ボタン
転倒に気ずいた近くにいた別の女性が
踏切に入り駆け寄って助けようとするが
女性1人の力ではどうにも
ならないようでした。
それを見た後部座席にいた松下さんは
車を降りて踏切の緊急停止ボタンを押す
と 高齢女性のもとへ走りました。
額から血を流し ぐったりしていて
とにかく女性と力を合わせて踏切の外に
引っ張りだしました。
踏切のそばで様子を見ていた貴志さんが
遮断機を持ち上げ無事踏切から
救い出しました。すぐに119番通報し
一命はとりとめました。
和歌山北署は3人に感謝状を贈りました。
署によると救助された方は
近くに住む70代の女性で
「どうして転倒したかは
よくわからないことと
転倒後警報機の音でびっくりしたこと
助けてくれた方々に本当に感謝している
こと そして体調の理由で
感謝状贈呈の場には行けなかったが
直接3人にお礼を言いたかった 」
と話していたそうです。
貴志さんは「当たり前のことをしただけ」
生徒たちにも困っている人がいたら
手を差し伸べてほしいと伝えたいとのこと。
松下さんは「 体感で1分くらいだった。
電車が来ていたらと思うと怖いが
その時は必死だった。」と話しました。

 

 

上記2つに共通なのは
まわりの異常をいち早く察知して
人命に係わる場面と判断したら
危険を顧みず 目の前の困難を
勇気ある行動で乗り越えた
ことでしかありません。